2002年4月2日

飲んだものの話

飲みに飲んだり Stubby 120本以上
日記編でもあちこちで書いているが、毎日毎日水代わりのようにビールを飲んだ。
Bottle Shop で買い込んだ24本入りのカートンや6本パックをはじめ、バーやカフェでも地元産のビール XXXX GOLD LAGER をオーダーした。XXXX 以外のビールは、SOHO Motel のレセプションで買った VB 4本だけだった。
2人で1ヶ月間に飲んだ量は、375mlの小瓶(オーストラリアでは、これを "Stubby" という。)で多分120本を優に超えているだろう。飛行機やバスの移動で物理的に飲めなかった時間を除けば、毎日一人2本半くらいを飲んだ勘定になる。

「おらがビール」から業界再編へ
オーストラリア人は大変なビール好きで、一人当たりの消費量では常に世界十指に入っていると言われている。
もともと 'VB' の Victoria Bitter やF1のスポンサーで知られる Fosters (この2つは Victoria 州生まれ)、New South Wales の Carlton、Western Australia の Swan や Emu 、South Australia の Coopers、Toohey's、そして Queensland の XXXX など、各州毎の「おらがビール」からスタートしたものであったが、今では物流の進歩も手伝って国中どこでもいろいろな銘柄を飲めるようになった。
更に近年買収、合併など業界の再編が進み、各ビールはそれぞれ、Fosters 社と New Zeeland 資本の Lion Nathan 社の傘下に入って、2社の寡占状態になってしまっている。
XXXX、Swan、Emu、Toohey's は Lion Nathan グループだ。
そして、その Lion Nathan も1998年に日本のキリンの傘下に入った。

それでもやっぱりフォーエックス XXXX
造る会社の資本がどうなろうと、Queenslander はやっぱり XXXX を飲む。
Queenslander (クイーンズランド・スタイルの住宅)に住み XXXX を飲んでこそ Queenslander なのだ、とケアンズの宿で一緒になった Brisbane 生まれの Aussie は豪語していた。

XXXX は、City の西 Milton にある Castlemaine Perkins の Milton Brewery で造られている。
クイーンズランドのビールの歴史は19世紀の後半に始まった。
1866年 Paddy and Thomas Perkins が Toowoomba で Perkins Brewery を設立。
さらに1877年には、Victoria 州の Fitzgeralds が Brisbane の Milton にあった小さな醸造所を買収して Castlemaine Brewery を設立する。翌年 Castlemaine XXX Sparkling Ale を発売。この時はまだ Three X だった。
XXXX の登場は1916年。その後、1924年の Castlemaine XXXX Bitter Ale の発売に合わせて、新聞 “Brisbane Courier” の広告に "Mr Fourex" を登場させて大人気を博し、以後クイーンズランドを代表するビールの銘柄となった。
1928年、Castlemaine が競争相手の Perkins を買収して Castlemaine Perkins Limited となり、現在に至っている。

いくつかの XXXX
我々が飲んだのは XXXX GOLD Lager だが、XXXX にはこれ以外にもいくつかの銘柄がある。以下、簡単に紹介しておこう。

XXXX BITTERDate of Launch:1924
Beer Style:Full strength, well hopped lager
Alcohol %:4.8
XXXX GOLDDate of Launch:1979
Beer Style:Moderately hopped mid strength lager
Alcohol %:3.5
XXXX LIGHT
BITTER
Date of Launch:1991
Beer Style:Moderately hopped light lager
Alcohol %:2.7
XXXX DL
LAGER
Date of Launch:1974
Beer Style:Full strength, carbohydrate reduced lager
Alcohol %:4.4
CARBINE
STOUT
Date of Launch:1925
Beer StyleFull strength highly hopped stout
Alcohol %5.1


そしてXXXX GOLD

ご覧のように、XXXX GOLD はアルコール分3.5%、適度にホップのきいた飲みやすいビール。いくら飲んでも酔わない。
一般にオーストラリアのビールは日本に比べてアルコール度が低く、そのため多少飲んで運転しても警察も文句を言わない……という話を聞いたことがあるが、これは本当だろうか?
24本入りのカートンで買うと24.99ドル、冷やし代が1ドルで締めて26ドル。Stubby 1本当たり1ドル1セント弱。バーやカフェだと2ドルから2.5ドルというところだった。


2002年3月30日

オーストラリアのクリスマス

2001年、クリスマス直前の一ヶ月をブリスベンとケアンズで過ごした。
当時、ブリスベンのキング・ジョージ・スクエアには巨大なクリスマス・ツリーが立ち、街はクリスマス商戦の真っ只中。クリスマスのデコレーションが溢れ、モールのステージではクリスマス・キャロルを聞くことができた。
ケアンズの宿のスタッフの女の子達は、ショーツとタンクトップやティーシャツでサンタの帽子をかぶった可愛い格好で迎えてくれた。
しかし、残念ながらクリスマス・デーの早朝にケアンズを発って帰国してしまったため、南半球で迎えるクリスマスも、ほんの一端を垣間見たに過ぎない。
暑い夏のオーストラリアのクリスマスを、オージー達はどんな風に過ごすのか。例によってウェブサイトを巡りながらちょっとばかりまとめてみた。

35℃のクリスマス Australian Christmas in summer
ご存知のように、オーストラリアでは北半球とはまったく正反対の夏の季節にクリスマスを迎える。
当然、白い雪にお目にかかることはなく、その替わりに、青い空と降り注ぐ太陽の下、時には35℃、地域によっては40℃を超える厳しい暑さの中で迎えるクリスマスなのである。
最近では、クリスマス・デーには家族や友達が屋外のバーベキューの周りに集まり、あるいはビーチで一日を過ごす。シドニー郊外のボンダイ・ビーチ Bondi Beach は、クリスマス・デーを楽しむ人々で一杯になる。
長い夏休みの中で迎えるクリスマスには、家族は遠くまで出かけて浜辺の別荘やキャンピング・キャラバン、あるいはブッシュのテントの中で、久しぶりに会う友人や他の家族と楽しい時を過ごすこともある。
自宅で過ごす人々も、プールで泳ぎ、裏庭でクリケットに興じる。
こんなオーストラリアでも、北半球から持ち込まれた伝統的なクリスマスの祝い方は今でも生きていて、街の広場や家庭にはクリスマス・ツリーが飾られ、街中に、トナカイに引かれたそりに乗ったサンタ・クロースなどのおなじみのデコレーションが溢れている。
しかし、夏空の下に聳え立つクリスマス・ツリーには、やはり何となく違和感を感じてしまう。

クリスマス・ツリー Christmas trees
街の広場やショッピング・センターのような公共の場所は大きなクリスマス・ツリーなどで美しく飾り付けられる。ほとんどの家庭でもクリスマス・ツリーが飾られ、サンタの運んできたプレゼントがその下に置かれる。
クリスマス・ツリーに使われる松の木 "pinus radiata" は、本来オーストラリアには自生していなかったものだが、建築用の木材として育てられ、それ以来見られるようになった。家庭では鉢植えのパイン・ツリーを持っているところもあり、1年に一度それが家の中に持ち込まれる。
中には、野生のユーカリの枝を使ったツリーも作られるが、いかにもオーストラリアらしい素材であるとは言え、とても本来のクリスマス・ツリーの雰囲気を出せるものではない。
最近では、環境保護の風潮から、プラスチック製のクリスマス・ツリーを使うところも多くなってきた。

木々や花々 Trees and flowers
オーストラリアでは、一年中いろいろな時期にいろいろな木々が花を咲かせる。葉が落ちて裸の木々に寒風吹きすさぶ北半球と違って、オーストラリアのクリスマスは花で溢れている。
クリスマスの時期に花の咲く木々には、Christmas bells, Christmas bush, Christmas tree などのように、クリスマスにちなんだ名前が付けられているものもある。
右の二つ、Flame tree はケアンズのキュランダ鉄道の車窓から、Jacaranda はブリスベンのあちこちの公園でよく見かけた。


Christmas bells

New South Wales
Christmas bush

Western Australian
Christmas tree

Illawarra Flame tree

Jacaranda tree

クリスマス料理 Christmas meals
オーストラリアは今や世界中のいろいろな地域からやってきた人々から構成される多文化社会であるが、ほとんどの人々が特別な料理を準備してクリスマスを祝い合う。
一昔前までは、多くの家庭のクリスマス料理は、焼いた七面鳥、野菜やフルーツ・ケーキやプディングなど、欧米の伝統的なものと同じようなものだった。ゴールド・ラッシュ時代のオーストラリアでは、しばしばクリスマス・プディングの中に小さな金の粒を入れて焼いたりしたものだが、「金」が「コイン」に代ったものの、この習慣は今でも一部に残っているそうだ。
最近では、クリスマス料理も暑い夏に合ったものに変わりつつある。35℃の気温の中で熱い料理を食べることは決して心地よいものではなく、人々は冷たい肉料理やサラダ、シーフード、マンゴーやポウポウ、西瓜などの熱帯産のフルーツを食べるようになってきた。クリスマス・ディナーはしばしば、外で楽しむクリスマス・ランチに取って代られることもある。

クリスマス・キャロル Carols by Candlelight
大きな街では、クリスマスを前にした1、2週間、公園や広場でクリスマス・キャロルが開催され、何千人もの人々が集まってお気に入りのクリスマス・ソングを合唱する。暗くなるにつれてローソクの灯が点され、平和な雰囲気を醸し出す。
Carols by Candlelight は、1937年にメルボルンのラジオ・アナウンサー Norman Banks によって始められたと言われており、今ではラジオやテレビで全国、全世界に放送されて、自宅でも楽しむこともできる。
歌われる曲は、伝統的なキャロルのほか、"Six White Boomers" や "Santa Never Made it into Darwin" などのオーストラリア独特なものもある。

Sydney, Myer Music Bowl Carols by Candlelight

サンタクロース Santa Claus and Father Christmas
サンタ・クロースは、オーストラリアでもちゃんと赤い服を着ている。ただ、ズボンが半ズボンだったり、裸足だったりして面白い。以前、「オーストラリアのサンタはサーフ・ボードに乗ってやってくる」という話を聞き、これもオージー独特のジョークだろうと思っていたのだが、実際に、シドニー郊外のボンダイ・ビーチなどでは、サーフ・ボードや救命ボートに乗って現れるサンタがいるそうだ。
1977年に発行された切手には、ご覧のように、ちゃんとボードに乗ったサンタさんが描かれている。
トナカイではなくカンガルーに引かれたそりに乗って疾走するサンタの絵を見つけたが、いくらなんでもこれは冗談だろう。



ボクシング・デー Boxing Day
クリスマス・デーの翌日12月26日は、ボクシング・デーと呼ばれる祝日になっている。
ボクシング・デーの起源は少なくとも中世まで遡り、クリスマスに教会の義捐金の箱を開けて貧しい人に分配することに由来するものであったが、祝日になったのは20世紀になってからのことである。
オーストラリアのボクシング・デーは、沢山の食事と飲み物に加えて、日中テレビでスポーツ・イベントを観戦しながらアーム・チェアでのんびりする機会が与えられる、大変贅沢な休日である。もっと積極的な人は、実際にメルボルン・クリケット・グランドのテスト・マッチやシドニー~ホバートのヨット・レースに出かけるか、近所のスポーツ・イベントに参加するか、あるいはビーチに出かけてのんびりすることもできる。
若い世代では、ボクシング・デーの由来を知らない人も多いようで、ケアンズであったオージーは、ボクシング・デーは「クリスマス・プレゼントの箱を片付ける日」だと教えてくれた。

2002年3月26日

オーストラリア版ジングルベル

いつも川越の大槻さんからお送りいただいている、オーストラリア大好き人間のミニコミ雑談誌「カンガルー・ポスト」 "KANGAROO POST"に、オーストラリア版「ジングルベル」が掲載されていた。
これは、クリスマス・ジョークのウェブ・サイト http://www.xmas-jokes.com に載っている替え歌で。真夏に迎えるオーストラリアのクリスマスをユーモアたっぷりに表現している。
下線を引いた部分はオーストラリア独特のスラングなどで、大槻さんの訳をそのまま付けさせていただいた。

Australian Jingle Bells

Dashing through the bush,
in a rusty Holden Ute,
Kicking up the dust,
esky in the boot,
Kelpie by my side,
singing Christmas songs,
It's Summer time and I am in
my singlet, shorts and thongs

Oh! Jingle bells, jingle bells, jingle all the way,
Christmas in Australia on a scorching summers day, Hey!
Jingle bells, jingle bells, Christmas time is beaut !,
Oh what fun it is to ride in a rusty Holden Ute.

Engine's getting hot;
we dodge the kangaroos,
The swaggie climbs aboard,
he is welcome too.
All the family's there,
sitting by the pool,
Christmas Day the Aussie way,
by the barbecue.

Oh! Jingle bells, jingle bells, jingle all the way,
Christmas in Australia on a scorching summers day, Hey!
Jingle bells, jingle bells, Christmas time is beaut!,
Oh what fun it is to ride in a rusty Holden Ute.

Come the afternoon,
Grandpa has a doze,
The kids and Uncle Bruce,
are swimming in their clothes.
The time comes 'round to go,
we take the family snap,
Pack the car and all shoot through,
before the washing up.

Oh! Jingle bells, jingle bells, jingle all the way,
Christmas in Australia on a scorching summers day, Hey!
Jingle bells, jingle bells, Christmas time is beaut!,
Oh what fun it is to ride in a rusty Holden Ute

--------------------------------------------------------

bush
元々は「藪」の意味だが、オーストラリアでは奥地とか未開拓地の意味で使う。
Holden
オーストラリアの国産車
ute
utility truck の略。実用的なトラックのこと。
esky
携帯用のクーラー。元来は製造メーカーの名前だったが、今や普通名詞。
boot
車のトランク
kelpie
毛の短いオーストラリアの牧羊犬
singlet
袖なしの男性用下着
shorts
ショートパンツ
thongs
ゴム底の鼻緒付きサンダル
scorching
焼けつくような
beaut
beautiful がつまったもので、good とか excellent という意味。
swaggie
swagman, 毛布にくるんだ手回り品 swag を担いで渡り歩く労働者。
barbecue
オーストラリアでは何かというとすぐバーベキュー。肉を焼くのは男の役目。

--------------------------------------------------------

実は、この替え歌の「元歌」になったと考えられるアメリカ版の替え歌がある。
ついでだから、それも紹介しておきたい。

こちらは、車がおんぼろのシボレー Chevrolet であり、歌詞の内容はオーストラリア版よりもずっと悲惨である。
しかし、joke としてはこの方が面白いかもしれない。

Rusty Chevrolet

Dashing through the snow in my rusty Chevrolet.
Down the road I go, sliding all the way.
I need new piston rings. I need some new snow tires.
My car is held together by a piece of chicken wire!

Oh, rust and smoke, the heater's broke, the door just blew away.
I light a match to see the dash and then I start to pray-ay.
The frame is bent, the muffler went, the radio's okay.
Oh, what fun it is to drive this rusty Chevrolet!

I went to IGA, to get some Christmas cheer.
I just passed up my left front tire and it's gettin' hard to steer.
Speeding down the highway, right past the county cops.
I have to drag my swampers just to get the car to stop.

Oh, rust and smoke, the heater's broke, the door just blew away.
I light a match to see the dash and then I start to pray-ay.
The frame is bent, the muffler went, the radio's okay.
Oh, what fun it is to drive this rusty Chevrolet!

Bouncing through the snowdrifts in a big, blue cloud of smoke.
People laugh as I drive by; I wonder what's the joke!
I have to get to Wal-Mart to pick up my layaway,
Cause Santa's comin' soon in his big, old, rusty sleigh!

Oh, rust and smoke, the heater's broke, the door just blew away.
I light a match to see the dash and then I start to pray-ay.
The frame is bent, the muffler went, the radio's okay.

Oh, what fun it is to drive this rusttttttttty Chevroooooooleeeeeet!

--------------------------------------------------------

Chevrolet
GM製の車、シボレー
IGA
カナダのスーパーマーケット
Wal-Mart
これもスーパーですね。世界最大の小売チェーン Wal-Mart は、西友を買収して日本に進出することが決まっている。
layaway
予約していた商品

2002年1月26日

カンガルー

オーストラリアの代表的動物といえばカンガルー。名前は、初めてその動物を見た英国人が「あの動物は何だ?」と先住民アボリジニにたずねたところ「カンガルー(先住民の言葉で「あんたの言っている言葉がわからないよ」という意味)」と答えたことに由来するという。

オーストラリア全土には、カンガルーの仲間が50数種類生息している(体長15~40センチのマスキーラットカンガルーやベトン、ポトルー、クォッカ、体長35~80センチほどの各種ワラビー、パディメロン、体長65センチほどの各種ツリーカンガルー、体長70~120センチほどの各種ワラルー、そして体長70~150センチほどの各種カンガルーだ)。

カンガルーがお腹のポケットで子供を育てるのはよく知られている。最もポピュラーなグレイカンガルー(オオカンガルー)の場合、その子供は妊娠後約36日で産まれてきて、ポケットに自力で入っていく。ポケットの中には乳首があって、そこで母乳をもらいながら育つのだが、完全に離乳するまでは約18ヵ月かかる。

面白いのはメスの妊娠期間で、干ばつなどによって栄養が充分とれなくなると、意図的に出産時期を延ばすことができることだ。これまでの研究では、なんと2年間も出産を延ばしたカンガルーがいたそうだ。

2002年1月22日

女王陛下の国

ご存知のようにオーストラリアは『女王陛下の国』。(これが、結構ご存知ではない方もいるから不思議なのだが……。)
オーストラリアはイギリス連邦 The British Commonwealth の一員であり、エリザベス女王2世を国家元首にいただく立憲君主制をとっている。
その証拠に、国旗にはユニオン・ジャックが描かれ、流通するコインには今でもエリザベス女王の横顔が描かれている。最近デザインが変わったが、昨年までの5ドル札の表側にも、女王の肖像が描かれていた。


即位の時の女王陛下


現在の女王陛下

エリザベス女王2世は、今年6月2日在位50周年 Golden Jubilee を迎えられた。1953年の戴冠式には、日本からも、当時皇太子だった今上天皇が昭和天皇の名代として参列されたのを記憶している。
その女王が、今年2月、連邦結成100周年を迎えたオーストラリアを訪れ、国民の大歓迎を受けた。帰国後しばらくして皇太后が亡くなられたが、いずれについても、その報道ぶりはなかなかのもので、オーストラリアでの王室人気は今もまだまだ高いように見受けられる。
現在、エリザベス女王を国家元首とする英国以外の立憲君主国は、アンティーグア・バーブーダ、オーストラリア、バハマ、バルバドス、ベリーズ、カナダ、グレナダ、ジャマイカ、ニュージランド、パプア・ニューギニア、セントキッツ・ネビス、セントルシア、セントビンセント・ブレナディーン、ソロモン諸島、ツバルの15カ国。
それ以外にも、英連邦には共和国32カ国、独立君主国6カ国が加盟している。
オーストラリアの街を歩くと、Royal Botanic Gardens、Royal Hospital など、'Royal' (王立)を冠した施設が見受けられ、軍隊も、Royal Australian Air Force (RAAF)、Royal Australian Navy (RAN) である。

しかし、あの底抜けに明るい Aussie 気質とオーストラリアの風土には、『女王陛下の国』という言葉がしっくり来ないと感じるのも事実である。
戦前までの移民は、ほとんど英国系が占めていたが、今ではオーストラリア国民の23%が外国生まれ、25%は少なくとも片親が外国生まれ、14%は家庭で英語ではない言語を話す。このような社会背景では、英国王室を元首にいただく根拠は薄まる一方だ。
今後、オーストラリアはどんな道を歩むのであろうか。

1999年11月6日、オーストラリア政府は、エリザベス女王を国家元首とする現在の立憲君主制から、大統領を元首とする共和制に移行するかどうかを国民投票で国民に問うたが、結果は、反対 'NO' :約54%、賛成 'YES' :約45%で否決された。

この国民投票には、少々『裏』があると言われている。
事前の世論調査では、オーストラリア国民の大多数は共和制を望んでおり、君主制継続派は9%しかいなかった。それが何故このような逆転結果になってしまったのか。
オーストラリアは、1970年に労働党政権がスタートして、それまでの「白豪主義」から「脱欧入亜」のアジア親密政策に転じ、共和制への移行論議も盛んになった。
しかし、1996年に保守連合が勝利してジョン・ハワード John Howard 首相になると、再び「白豪主義」が復活し、共和制への移行の動きは消極的になっていく。
ハワード氏は、そのときの選挙で、自分が君主制支持者であることがマイナスにならぬよう、「首相になったら、共和国化について問う国民投票をやる」と公約した。
この公約を守るため、ハワード首相は憲法改訂のための評議会を召集し、そこでの議論の結果、「共和国化するとしたら、新設される大統領は上下院が投票で選出する」という結論を出した。
一方、世論調査では、国民の多くは、間接制ではなく国民が直接大統領を選ぶ直選制を望んでいた。しかし、評議会が間接制を打ち出したため、国民投票の争点は「君主制維持」か「間接選挙の大統領制」かという二者択一になってしま、共和制派の多くは、間接制では意味がないと考え、今回は改憲しないという方に投票したのだった。

オーストラリアは、首相も議会で選ぶ間接選挙制(議院内閣制)で、大統領を直接選挙で選んでしまうと、大統領の方が民意を反映した存在ということになり、首相と大統領の意見が対立した場合、大統領の立場の方が強くなり、国家元首の大統領を象徴的存在にとどめておけなくなる。権力システムの現状維持を望む連邦議会の政治家たちは、民意に反しても間接選挙で大統領を選びたがった。
そしてハワード首相は、国民と議会とのこのギャップを利用して「現状維持」という国民投票の結果を引き出したのだった。

当時のこの投票結果に、共和制派のリーダーは、
「ジョン・ハワードは、国民の心を傷つけた首相として、その名を歴史に残すであろう。彼はオーストラリアに外国の女王を扶養させることにした男だった。」
"He will just be remembered as the prime minister who broke this nation's heart. He was the man who made Australia keep a foreign queen."
と酷評している。
一方、女王は、
「オーストラリアの立憲君主制の将来については、オーストラリア国民の問題であって、彼らだけで民主的かつ憲法に準拠した方法で決めればよい、と常々明言してきました。」
"I have always made it clear that the future of the monarchy in Australia is an issue for the Australian people and them alone to decide,by democraticand constitutional means."
と述べて、オーストラリアの国家元首の継続を喜んで受諾された。

世界の歴史の潮流は共和制に移行しつつあり、いずれはこの国も、英連邦のくびきを逃れ、共和国に変わる日もそう遠くないかも知れない。
しかし一方、国民投票や議会で選ばれた大統領が必ずしも清廉潔白な、民主的政治家とは言いがたく、国民を不幸にしてきた近代・現代の事例も多い。
'No more power to the politician' のスローガンは、「レベルの低い政治家に大統領として大きな権限を与えるよりも、今は立憲君主制の方がまだましではないか」という、オーストラリア国民の『次善の選択』だったようにも思える。

2002年1月20日

Aussie Slang in Aussie English

変な題名だが、帰りにケアンズ空港の売店で買った John Blacman 氏の "Aussie Slang" を紹介する第2弾。今回は、すべてを英語で表示してみることにする。
日本語に訳せないことはないのだが、スラングの奥に潜む微妙なニュアンスを表現するほどの英語力は持ち合わせていないし、原文を読んでいただいて「にんまり」していただくのも結構面白いと思うのである。
ちょっと手抜きをした……という方が本音かもしれない。
膨大な数の氏のスラング集から「これは」というものを拾い上げ、勝手にいくつかのジャンルに分類させていただいた。
一部第1話でご紹介したものと重複しているところもあるが、ご勘弁いただきたい。

COMMON WORDS

Aussie
Short for Australian mate! Pronounced as 'ozzie' not 'oss-see' as many Americans tend to do.

Oz
What every red-blooded Aussie briefly calls home---Australia mate!

Aussie Rules
A fast moving football game played mainly in Victoria, South Australia, Western Australia, Tasmania and the Northern Territory. The AFL (Australian Football League) grand final in Melbourne each September attracts almost 100,000 spectators. 'You bloody mug umpire!' ... primitive Aussie footy chant.

Rules
Abbreviation for the greatest game on earth (biased Victorian speaking)---Australian Rules football.

Vegemite
Trademark name of a black yeast extract which we Aussies use as a spread on toast and sandwiches. To the uninitiated and gourmands with sophisticated and delicate palates, it looks and tastes a little like bitumen! However, we love it because, according to Kraft, the manufacturers, 'It puts a rose in every cheek.' Vegemite also received international recognition when it became part of the lyrics of the hit song, 'Down Under' by Men at Work.

walkabout
Aboriginal activity dating back to the Dreamtime when rhey would go walkabout for miles in search of food or to attend ceremonial business. Today, if you're daydreaming or have gone away on a trip with no particular destination in mind, you've 'gone walkabout'.

Captain Cook
The English discoverer of Australia back in 1788 who died after being speared in the Sandwiches (Islands that is). It's also rhyming slang for look. So now you know what we mean when we say we're taking a captains at something.

the great Australian adjective
Simply the best bloody word in the bloody world to describe every bloody thing from a bloody good time to a bloody awful time to a bloody good bloke to a bloody mongrel. Got the bloody idea... that's bloody good then! (Quite acceptable profanity in any bloody company really---even with the Archbishop!)

bloke
General term for your average Aussie male. He could be a good bloke, a great bloke, a not a bad sort of bloke, or in my missus' case, a funny lookin' bloke.

bloody
Popularly known as the 'great Australian adjective', it can be used to express approval or disapproval. 'It's a bloody beautiful day' or 'It's a bloody awful day'---whichever bloody way you look at it, it's a bloody useful word!

ay?
Literally it means 'I beg your pardon?'

bye bye
Goodbye!

bye byes
What we do when we go to bed---we go to bye byes---pathetic isn't it.

g'day
Probably the most famous of all Australian phrases. It is our way of saying 'Hi there', although some tourists seem to think it can be a term of farewell---wrong!

no worries
An expression used to instill confidence. Often used by politicians, accountants and tradesman.

on ya
Abbreviation of the term good on you---or well done!.

oo-roo
A very Aussie way of saying goodbye.

ta
Thank you! (You're welcome.)

mate
Generally used by the male of the species when addressing a fellow male. U.S. equivalent---pal. 'Owyergoin mate, orright?'

fair enough
General expression indicating accord or agreement---OK? Fair enough!

ankle biter
A young child.

arvo
Abbreviation for afternoon---'See youse this arvo!'

cuppa
Abbreviation for 'cup of tea'. Favourite thing to do after some hard work or as a social activity. Let's sit down and have a cuppa...Australia's favourite panacea.

sheila
Woman or girl---we've got the grousest sheilas in the world here in Australia.

chip
Aussie equivalent of the American French fry.

fair dinkum
If anyone or anything is fair dinkum you bet your life it's totally genuine. Fair dinkum!

O.S.
Yet another example of the great Aussies penchant for abbreviation. One never 'travels overseas'---ya go O.S. mate! To places like K.L. (Kuala Lumpur), F-oneJ-one (Fiji), Bangers (Bangkok), Singers (Singapore) and not forgetting of course F.N.Q.! It's OK, it merely means Far North Queensland.

NAME OF PLACE

Down Under
If a bloke comes up to you and tells you he's very big Down Under, girls, don't slap his face. He's actually telling you he's a very important Aussie! Down Under is what the rest of the world call Australia.

the Big Island
Nothing to do with Hawaii---it's what Tasmanians call Australia.

Mainlanders
What the good folk of Tasmania call us felloe Aussies who live on the Big Island (Australia).

the Centre
What we in Australia refer to as the middle of Australia---situated somewhere in the Northern Territory and sometimes called either the Dead Heart (due to its isolation) or the Red Centre (due to the colour of the soil).

the outback
The desolate heart of Australia---or, any other remote, uninhabitable, dry, inhospitable region (but enough about my wife's side of the bed!). God, I hope she never reads this far, otherwise I'm cactus.

Woop Woop
A non-existent part of Australia used to describe any remote location. 'He lives a long way away---out the back of Woop Woop somewhere.'

the harbour city
The beautiful harbour-surrounded city of Sydney.

the Rock
Arguably, Australia's best known landmark and the largest monolith in the world---Ayers Rock. Situated in the Northern Territory not far from Alice Springs, the Aboriginal name for it is Uluru. (Plurry big yonnie!)

the ekka
Located in Queensland, the Brisbane Exhibition Grounds (ekka---short for exhibition of course).

the Gabba
Affectionate term for one of the world's most magnificent sporting arenas that can hold up to 40,000 spectators (well I would like this book to sell well all over Australia)---the Queensland Cricket Association oval. Called the Gabba due to its location in the suburb of Woolloongabba.

the 'G'
Affectionate term for one of the world's most magnificent sporting arenas that can hold up to 100,000 spectators---the Melbourne Cricket Ground or M.C.G. (Not hard to tell I'm a proud Melburnian eh!)

ANIMAL, BIRD......

Great White Shark
Fairly prevalent around our beaches and of course, the nickname of Australian golfing legend, Greg Norman. Greg and I have a lot in common---we're both Aussies, we've both got blond hair and we both own a set of golf clubs!

Akubra
Our very distinctive broad-brimmed Australian bush hat made from rabbit fur. Worn in the main by the man-on-the-land, Greg Norman and occasionally by wankers in the city!

kangaroo
The beloved symbol of Australia seen on the tail fins of all our Qantas aircraft. We also put them on our coins. We shoot them, use them as pet food, make soup out of their tails and their paws make very natty little bottle openers. Yep, there can't be a more useful national symbol than the old kanga mate!

roo
Abbreviation of kangaroo.

roo bar
No, not a kangaroo with an erection or where they drink...it's the metal frame fitted to the front of your car to fend off our furry friends when driving through the bush or the outback..

Kiwi
A New Zealander---sometimes mistaken for an Aussie (as Canadians are for Americans). Kiwis, however, are easily distinguished for their unusual use of vowels. E.g. Six become 'sux', sex become 'six' and flat become 'flet'. Therefore, if you get an invitation from a Kiwi to be at there 'flet at sux for a bit of six and fush and chups afterwards', it sound like a reasonable sort of proposition! By the way, a kiwi is also a nocturnal New Zealand native bird.

wombat
Description of male Casanova. So called because, like the wombat, he eats, roots shoots and leaves.

cockatoo
As well as being a native Australian parrot, it is also the bloke who keeps watch for the police at an illegal gambling venue. Probably so named as domesticated cockatoos tend to screech warnings of impending visitations.

WALTZING MATILDA

Matilda
As featured in the world famous Banjo Peterson song, 'Waltzing Matilda'; it is the bedroll carried by nomadic bushmen (or swaggies) who roamed (waltzed) around Australia looking for work.

Waltzing Matilda
The name of our unofficial national anthem. Waltzing your Matilda comes from the early days when a swaggie (bushman) would spend his days wandering (waltzing) the countryside with all his worldly possessions wrapped in a blanket (Matilda).

swag
What wandering bushmen (swaggies) carry all their belongings in. A rolled-up blanket.

tucker
Food.

tuckerbag
A swaggie's food bag.

DRINKING

aristotle
Rhyming slang for bottle---as one great drinker once said, 'I'd rather have a free bottle in front of me than a prefrontal lobotomy!'

dead marine
An empty beer bottle or can.

eighteen
An eighteen gallon keg of beer generally found in a pub's cellar but occasionally found at a serious party or barbeque. If you only need enough to keep you and your mate going for a couple of hours---order niner.

niner
A nine gallon keg of beer---very popular at big Aussie barbeques.

drinking with the files
Drinking alone. Being unsociable.

full
Drunk. 'Harry got home full at way past midnight.'

liquid amber
Quite obviously---beer.

sherbet
In Australia, when we say we're going out for a couple of sherbets---we are actually going out for a couple of beers.

six o'clock swill
Old timers will remind you of the days when pubs used to close at 6 am---causing a mad rush (swill) for drinks just before closing. These days, it's almost a 25 hour swill (that's if you drink for the hour it takes you get home!).

school
A group of mates taking turns to buy drinks in a pub is known as a 'school'.

SMOKING

bum
In America, he's a vagrant. It's also a verb associated with cadging a cigarette or a dollar from someone. In Australia, it's something we sit on!

how ya holding?
An enquiry as to your current financial state. Generally followed up by a request to borrow a small amount. Can also be used to cadge a cigarette.

the makings
Very simply---tobacco and cigarette papers. For those of you who like to roll your own. (See also rollies.)

smoko
Now that smoking has been banned in most buildings, workers can be seen everywhere these days outside on the pavement puffing away during their smoko.

tailor-mades
A cigarette that comes in a packet that you don't have to roll yourself.

OTHERS

milk bar
The distinctly Australian equivalent of the American drug store where you can buy everything from a litre of milk, to a loaf of bread, to a packet of fags.

nineteenth hole
The bar at your golf club---I always score at that one!

thunder box
An outside or inside lavatory...the name says it all!

pissing it up against the wall
Wasting all your money on drinking.

root
In America, you sit in the grandstand and root for your team. If you did the same thing in Australia, you'd probably get arrested because having a root in Australia means having sexual intercourse. It is not only a verb (doing word) but can also be used as a noun. 'Harry's girlfriend turned out to be a top root!' (Sorry ladies, just being expansive!)

settler's clock
So called because it starts laughing just before dark, the kookaburra (laughing jackass).

sundowner
Swaggie (tramp) who generally arrives at your homestead at sundown. Just a little too late to do any work but just in time for a meal. I've got a few mates in the city who work this scam just as well!

------------------------------------------------------------------

'IE' again

alkie
Abbreviation for alcoholic. As Dean Martin once said, 'if you drink, don't drive---don't even putt!'

bikkie
Juvenile abbreviation of biscuit. Remember kids, 'thank you' is something you say to make Mum let go of it!

bushie
Anyone from out of town who hails from a rural area.

chalkie
Nickname for a teacher. I remember my old geography teacher asking me what the capital of Alaska was. I told him 'A'!

chewie
Abbreviation of chewing gum.

chippie
What we call carpenters due to the fact they spend most of their day chipping away at bits of wood.

Chrissie
Sorry, not an abbreviation of Christine but the ultimate slang obscenity for Christmas. People using it to describe dinner, gifts or holidays (in my humble but psychotic opinion) should be electrocuted!

chromies
Chrome wheels---of course!

ciggie
Very good! A cigarette.

coldie
A blizzardly cold can of beer---you can't beat knocking back a couple of coldies in front of the old telly!

telly
Abbreviation (of course) for television. We were watching telly last night and my wife said 'God this is boring!' I said, 'If you think this is boring, wait 'til I turn it on!'

conchie
Abbreviation for conscientious person. I spent most of my school says being un-conchie...or should that be unconscious!

connie
Generally, referring to both male and female tram and/or bus conductors. Due to government austerity measures, they are gradually becoming an endangered species in most states of Australia.

dunny
Outdoor toilet generally located at the 'bottom' of your garden. These days used as general term for any toilet.

fattie
Slang term for $1,000.

fatties
Very wide car tyres.

footie
Abbreviation of football. (The 'T' should always be sounded as a 'D' in Ozspeak!)

greenie
An environmentalist---generally found chained to trees in rainforests singing 'We shall overcome'.

gummies
Slang for gumboots, long rubber boots generally worn by farmers or me washing the car.

hostie
Abbreviation of air hostess. These days, with the introduction of chaps into the profession they prefer to be called flight attendants.

hottie
Abbreviation of hot water bottle.

hubbie
Wot else? Abbreviation for husband.

kindy
Abbreviation for Kindergarten---my dad used to walk me there every day...actually he was in the same class as me!

leftie
Anyone with socialist or communist leanings.

lippie
Lipstick---of course.
 
rollie
A hand-made cigarette---a 'roll your own'.

mozzie
Abbreviation for the legendary Aussie mosquito. So big in some parts, they have been known to carry black box flight recorders---true!

nappies
What our American friends call diapers. I know a 20-year-old girl who just married in 85-year old bloke---which is great. When they eventually have a baby, the father can share the same nappy service at the kid!

the oldies
Your parents (or parents-in-law). 'We're visiting the oldies this weekend.'

pollie
A politician. Our local member is amazing, when there's nothing left to say---he's still saying it!

Pom/Pommie
Affectionate Aussie term for person of British extraction. We think the term originated from P.O.M.E. (Prisoner of Mother England), from the convict era and later shortened to POM.

possie
It's essential you get a good one at the footy so as not to miss any of the action. Abbreviation of position.

prezzies
Gifts---corruption of 'presents'.

rellie
Abbreviation of relative---as in aunt, uncle etc. Sometimes called rello.

Sallie
Any member of the Salvation Army---also referred to as Salvos. Little known fact---there has been a Salvation Navy.

sickie
A day taken off work due to illness (imagined or otherwise). Sickies taken either on a Monday or Friday are generally regarded with great suspicion.

subbie
Term often used in the building trade for a sub-contractor.

sunnies
Sunglasses.

tinnie
A blizzardly cold can of beer. One of the great Australian rituals---crackin' a tinnie with a mate! Very blokey indeed!

towie
A tow truck operator. Because it's such a competitive vocation, the best towie is a toey towie!

trammie
Native only to Melbourne, Victoria---a tram driver. (The conductors are called connies.)

trannie
Abbreviation of transistor radio.

umpie
In Aussie Rules football---the umpire.

vegies
Vegetables.

wellies
An English expression we also use in Oz for Wellington boots. We tend more to call them gumboots or gummies.

yabbie
Australian crab-like crustacean found mainly in freshwater creeks and dams. Great eating!

yachtie
A yachtsman, of course!

2002年1月18日

ブリスベン川 The Brisbane River

Kangaroo Point の Cliff-side を歩いている時、家内が私に「ブリスベン川ってどうしていつ来てもこんなに濁っているんだろう?」と言う。
その答えは、遊歩道沿いに点々と置かれているステンレス製のパネルですぐに見つかった。
そこには、こんなことが書かれている。

『……最初にここを訪れた開拓者達は、いつも澄んでいるきれいな川でたくさんの魚やブラック・スワンを見ることができ、岸辺ににはすいれんが咲き大きな木々が聳え立っていた。50年前でさえ、泳げるくらいにきれいで、川沿いには砂浜があった。……今では、開発が進んだために、雨が降るたびに上流の泥や汚染物質が川に流れ込み、ブリスベン川はこんなにも濁ってしまった……。』と。


蛇行する Brisbane River
いつ見ても、こういう風に茶色に濁っている

心臓部をゆったりと流れるブリスベン川はまさにブリスベン市のシンボルであり、上水や工業用水の水源として、City Cat や Cross River Ferry の走る水路として、レクリエーションの場として、そして文化や歴史を語るテーマとして、ブリスベン市民にとってのみならず、そこを訪れる人々にとっても、ブリスベン市と切っても切れない関係にある。
1823年に Oxley がこの川を発見し、2年後現在の North Quay 辺りに植民地の本拠を移して、その後多くの人々がこの地を目指し今日の繁栄を築き上げたのも、この川の魅力に惹かれたからであったし、私達がブリスベンを訪れおこがましくも "Our Fabourite City" とこの街を褒め上げたのも、ブリスベン川の存在が大きな理由の一つになっている。

ブリスベン川は、オーストラリアの南東部に聳える「大分水嶺」 'the Great Dividing Range' の麓に源を発し、Moreton Bay までの約320kmを曲がりくねりながら流れている。



ヨーロッパからの入植者によって発見されるまでは、唯一先住民の一部の部族にしか知られていなかった。その土地と川は彼らの生活を支える源であり、豊富な食糧と共によい漁場を提供していた。
ヨーロッパ人の入植後、川は貿易、輸送、防衛戦略などの上で州都ブリスベンを建設するための重要な役割を果たすようになる。
ダムの建設、砂州の撤去、流域での工業団地や住宅団地の建設などの人間の活動が大きく川を変貌させ、川は次第に茶色く濁っていったのである。

ブリスベン市は、現在のそして将来の人々のために「より健全な水路」 'healthier waterways' を取り戻すべく力を注いでおり、近年ブリスベン川の環境は徐々に改善されつつあるという。

洪水の歴史
このように地域に大きな恩恵を与えてきたブリスベン川だが、それはまた、大きな洪水を繰り返しブリスベン市をはじめその流域の人々を悩まし続けてきた歴史も持っている。
1893年の洪水については「ブリスベンの歴史」の中でも触れたが、最近では1974年1月の洪水が特筆すべきものであろう。

1974年1月26日、ブリスベンは記録的な豪雨に見舞われた。短時間に降った317mmの雨は、排水管を溢れさせそして詰まらせ、いろいろな物を壊し流し去った。停泊中だった大型のオイル・タンカーを含む4隻の船が、コントロールを失ってブリスベン川の下流まで流された。
14000戸を超える住宅が避難を余儀なくされ、その大半は修復不可能なほどの損害を蒙った。空港、鉄道、道路、水路とも使用不能となり、ブリスベンは陸の孤島と化した。泥水と悪臭が消え去るまでに5日間を要したという。
この洪水により、16名の命が失われ、被害総額は3億ドルに達した。
(下の写真は、いずれもクイーンズランド博物館ホームページから)


Edward Street の状況


氾濫したブリスベン川と South Brisbane


Albert Street の状況


Victoria Bridge から South Brisbane 方向を見る

ブリスベン市は、水害に打ちひしがれた市民を鼓舞し復興への足掛かりを作るため、1982年の Commonwealth Games (過去の大英帝国連邦傘下にあった世界72カ国が参加して4年に1回行なわれる国際スポーツ大会)と1988年の世界万博の2大イベントを成功させ、そして見事に立ち直ったのである。

私達が将来再びブリスベンを訪れる時、ブリスベン川がこれ以上汚れず、少しでもきれいな水が流れていることを期待するものである。