2001年11月28日

ケアンズ3日目 二日酔いのキュランダ

二日酔いの朝
朝、滅茶苦茶の二日酔いで起床。
家内の機嫌が悪い。昨夜は調子に乗って飲みすぎたらしい。
向かいの Sunshine Tower Hotel の前でバスのピックアップを受け、キュランダ観光に出かける。
酒が完全に残っており、日本人ガイドの話もほとんど耳に入らないほど調子が悪い。おまけに今日の最高気温は35度にも達する由。先が思いやられる。

Skyrail で Kuranda 村へ
ケアンズの北カラボニカ・レイク Caravonica Lakes とキュランダ Kuranda を約90分で結ぶスカイレール Skyrail Cableway は、延長7.5km、世界最長といわれるロープウェイだ。世界遺産に登録された熱帯雨林を眼下に見ながらゆっくりと進む。
この貴重な自然を損なわないよう、環境調査から開業まで7年をかけ、建設資材はすべてヘリコプターで運び、工事に従事する人々も現場まで徒歩で移動したそうだ.。樹木の伐採は鉄塔の足元と駅の部分の最少限に止めている。
途中2つの駅があり、降りて熱帯雨林の中を散策したり、バロン滝 Barron Fall の景観を楽しむことができる。


Skyrail から眺める Rain Forest

そんなスカイレールに乗った我々だったのだが、上から見下ろす Rain Forest は、それほどの「うっそう観」はなく、ちょっぴり期待はずれ。これは昨夜の飲み過ぎが災いしての、まったく主観的な感想なのでご勘弁いただきたい。


やっぱり暑い!
キュランダ村 Kuranda Village に到着ししばし散策したあと、Rainforestation Nature Park でアボリジニによる Pamagirri Dance Show やディジェリドゥーの演奏を楽しみ、ブーメラン投げなどを体験する。
結構楽しく勉強にもなるのだが、アメリカン・インデアンやアイヌの人々も同じようなことを強いられているのだと思うと、複雑な気持ちである。
レストランに移動し昼食。テーブルの上には冷たい水の入ったボトルが置いてある。また汗になると判っていながら、立て続けに3杯も飲んでしまった。
食後のマーケットや周辺の散策も、蒸し暑さと二日酔いで苦痛の一語に尽きる。


Didgeridoo の演奏

キュランダ鉄道 Kuranda Scenic Railway

19世紀末、当時 Herberton にあった錫鉱山と海岸地域との間の物資輸送は、雨季のたびに道路が寸断されて困難を極め、鉄道敷設の運動が高まっていた。
Port Douglas、Cairns そして後で加わった Geraldton がそれぞれ鉄道誘致同盟を結成して、激しい誘致合戦を繰り広げたが、1884年、Barron Valley 山峡を抜けて Cairns に出るルートが決定した。
延長75kmの鉄道敷設工事は、1886年3工区に分けて発注された。平地、平原を走る1工区、3工区はたいした問題もなく進められたが、24.5kmの第2工区は急斜面や密林を通るもので、当時敵意を持った先住民達もいて大変な難工事だった。
登りは海抜5.5mの Redlynch 付近から始まり、Myola で327mの頂上を迎える。そしてこの工区には、15のトンネル、93ヶ所の屈折部、そして峡谷や滝の上に架けられる建設困難なたくさんの橋があった。
近代的な土木建設機械のなかった当時のこと、工事は難航を極め、ダイナマイト、つるはし、スコップで、場所によってはまったくの素手で進められた.。掘削された岩盤や土砂の量は2.3百万立米にも達したという。
Barron Valley の岩盤は特に危険で、平均斜度45°表面は4.6mから7.6mの腐植土層で覆われていた。
このような難工事の末、ケアンズ~キュランダ間が1891年に竣工、開業した。奥地の錫鉱山も閉山してしまった現在、1日に2本、1時間45分で結び、観光客を運んでいる。


Barron River にかかる Stoney Creek
の鉄橋を渡るキュランダ鉄道の車窓から

雨季はまだ
午後2時、そんなキュランダ鉄道に乗車してケアンズに向かう。
列車は間もなく Barron Fall に停車。そろそろ雨季に入る……と思って期待して来たのだが、まだまだ1ヶ月以上早かった。滝にはほとんど水が流れていない。「白糸の滝」になってしまっている。



1、2月の雨季になれば、左の写真(これは借り物)のような景色が楽しめたはずだったのだが……。

オープンな車窓から眺める景色は素晴らしいが、吹き込んでくる風はじっとりと湿った熱風で、蒸し暑いことこの上ない。
キュランダ鉄道の工事の歴史を書いたパンフレットと沿線の地形を見比べ、上に書いたような難工事の様子を、「さもありなん」と一人肯きながら、ただただ感心するばかり。
3時15分 Fresh Water の駅に着き、待っていた迎えのバスに乗せられた。

日本語ツアーはもったいない
午後4時半過ぎに市内に戻ると、バスは案の定免税店の前に横付けになる。こちらはオーストラリアに着いたばかりで、買い物ツアーでもないので、早々に退散する。カフェで冷たいビールを引っ掛けてしばし汗を拭う。前回を通じて初めて日本語ガイドツアーに参加したが、たいした説明もなく、料金は英語のツアーに比べて2割がた高い。モッタイナイ!モッタイナイ!

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